《 中華人民共和国 》

▼行き方

「高頭郷」ガオトウ から徒歩圏内、承啓楼の隣。
「高頭郷」までは、廈門またはからの“永定/下洋”行きのバスが「高頭郷」や、湖「高頭郷」の外れにある「承啓楼」の前に止まることが多い。廈門またはからの“永定/下洋”行きのバスは、経由地(ルート)が色々あるので、事前に確認が必要。他、近隣の町からのミニバスなどの便も多い。

客家円楼:僑福楼 チャオフーロウ
撮影場所:福建省永定県高頭郷

(2001年3月撮影)

僑福楼:1962年製と、新しい円楼。インドネシアで成功した華僑が中国に帰国して建設した。手入れがよい。

承啓楼》の隣にあり、旅社として認可され宿泊できる円楼。1泊素泊まりで10元(との噂)+入場料20元。しかし2004年1月に再訪した時、残りの住人も転居の真っ最中だった。この時は博物館も閉鎖中。

(2004年1月撮影)

大門から中庭に入ったところ

3階建て、小規模の一重円の《内通廊式円楼》。房は30世帯分ある。
中庭は広場のみゆえ、とても明るい雰囲気。
伝統様式にのっとって建築されているが、細部は洋式建築を随所に取り入れている。

《僑福楼》を建設するときに出土した、清代乾隆帝時代の屏風や陶器、絵画を展示している。これらは大きな箱に入ったまま出土したため、保存状態がいい。1階と2階に展示されている。

他に、この地方で使われていた婚礼衣装や、(悪徳)役人の衣装、墓石(一生を語っている詩入り)、農具も展示されている。客家人の移住の歴史など詳細に書かれた(中国語)展示物もある。入場料20元。

これら展示室が、楼内の半分以上を占める。

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住居は、メゾネット式(2つ以上の階を垂直にまたがる集合住宅の様式)。入口は《大門》タアメンといわれ、この大門をくぐると、正面奥が祖同(祖堂)があり、手前は広場になっている。僑福楼では、祖同(祖堂)ツウタン の入り口に、洋風の門庁 マンティン がある。

基盤には、水害から守るために《玉子石》が積まれている。壁の厚さは、通常下部で1.6m位、上部では60〜70 cm となっている。

房(部屋)は、概ね、間口(前面の幅)が2.5〜3m、放射状に並んでいる。奥行きは3〜5m程度。1階はすべて厨房と食堂。2階は全て糧庫(穀物、豆類、芋類などを貯蔵)、3〜4階が居室となっている。

1階と2階には窓がないが、3〜4階には小さめの窓があり、通風口となるとともに、この窓は有事の際は《銃眼》となる。

僑福楼は《内通廊式土楼》で、2階以上の各部屋(各世帯)を横につなぐ、《走馬廊》と呼ばれる回廊を持つ。円楼の内周をぐるりと囲っていて、内側全体をひと目で見渡すことができる。

《走馬廊》ツオウマアラン を持つ円楼・方楼は、外壁のみ土のブロック(土台は石組)でつくられ、内部は杉材など木材100%でつくられる。隣家との壁は薄い木材なので、隣家からの音漏れがある。《内通廊式土楼》は、各世帯のプライバシーを重視するより、集団防衛(火事も含む)のための対処を重視している。

しかし土楼は、夏は涼しく、冬は温かい。夏は、ぶ厚い土壁が陽射しをさえぎり、冬は風と冷気をブロックする。雨期には、土壁が湿気を吸い取る。

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土楼をつくる

土楼は、耐震技術の水準が非常に高い。福建省では何度か地震に見舞われたが、下準備を充分行った土ブロックを使ってつくった土楼は、僅かに亀裂が入る程度の被害で済んだ。また構造上、匪賊などの侵入が難しく、匪賊などへの攻撃が容易になるように出来ている。

外円楼の外壁は、土のブロックを使う。
土のブロックは、「型枠」の中に、水で練った土+@を入れて棒で撞き、固めていく工法で「ブロック」をつくる。つまり生土+@を固めただけの煉瓦である。
 
福建省永定県地域では、土楼の土壁を《生土壁》と呼ぶ。
作り方は、地域差があるが、概ね以下の通り。

(1)雑物を取り除いた、その土地の水田の粘土の高い土+石灰+小石を混ぜる。
(2)(1)に、さらに、蒸したもち米+赤砂糖を入れて、練りを持たせる。
(3)防虫のために、烏樟脳(樹汁)を混ぜ入れる。
(4)補強材として、竹と松を割ったもの(壁骨という)を入れる。
(5)(4)を半年〜1年間寝かせて、十分発酵させたものを使う、らしい。

基盤工事は、幅2m×深さ1m以上の溝を掘り(方楼なら正方形か長方形、円楼なら円形)、この溝に10〜20cmくらいの石を入れる。これは水害から守るための《玉子石》と呼ぶ。次に高さ1m位まで、石の基礎を組む。この上に(5)の土のブロックを積み重ねていく。

壁の厚さは、通常下部で1.6m前後、上部では60〜70cmとなっている。承啓楼の土壁の厚さは、基礎部分で1.5m、屋根部分で90cmの厚さがある。

積み重ねるとき、若干内側に傾いている環形にする(ここに部屋の柱や梁などが縦横に組み合わされ、堅牢さを増す仕組みとなる)。

壁の施工が終わると、内側に、木造軸組工法で居住宅部分をつくる。使われている木材はほとんどが杉。柱の太さは直径20〜30cmほど。1階あたりの高さは3m程度。

屋根は、勾配のゆるい切妻屋根。
福建省と広東省の省境地域は、雨も台風も多いため、軒も深いものとなる。少し中庭に飛び出た《走馬廊》にも屋根がついている。

土楼の大門は、石造りのアーチ型の門に、木の扉を取り付けたものがほとんど。木の扉の厚さは、10cmはある。表に厚い銅板を打ちつけ(匪賊の多い地域では裏にも鉄製の格子を打ち付ける)る。10cmはある木の棒(角材)をかんぬきとして使用する。こうして門は、突き破られたりするのを防ぐ。

万が一、木の扉へ放火されたことを想定して、門の上部に、防火水槽が設けてある土楼は少なくない。






2001年3月、2004年1月撮影